授業の 概要 (Outline of course)
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19世紀,イギリスのミドルクラスは産業化の波に乗って成長し,拡大していく帝国の各地に子弟の就職先を求めました。このため彼らの家庭観やジェンダー観は,さまざまな文物とともに世界の多くの地域に広まることとなりました。例えばサッカーやラグビーといったスポーツの成立も,この時代の男性観と深い関係があるのです。この時期,女性は「家庭の天使」として専業主婦となることが理想とされましたが,既婚女性には法的・経済的権利はほとんどありませんでした。女性は男性に比べて,「進化」の度合いが低いのだとも信じられていました。こうしたなかで,やがて子どもの養育権や財産権,教育の平等,そして参政権を求める運動が生まれていくことになります。この授業では,このような19世紀のイギリス社会のさまざまな側面を,ジェンダーの視点から見つめていきます。
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授業の 到達目標 (Attainment targets of Course)
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(1) 19世紀イギリスの社会について,階級やジェンダーを軸に解説できる。 (2) 過去の社会について学ぶことを通し,日常の生活をジェンダーの視点から分析することができるようになる。
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授業の 形態 (Course method)
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パワーポイントを使い映像を多用して授業を行います。関連する文学作品などのDVDも利用します。また授業の最後には,復習を兼ねてその日の講義内容についての短いコメント等(リアクション・ペーパー)を書いてもらいます。
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授業計画 (Class schedule)
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回数
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授業内容
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担当教員
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第1回(Day 1)
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ガイダンス
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山口みどり
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第2回(Day 2)
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ミドルクラスの興隆 —ジェントルマンになるには
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山口みどり
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第3回(Day 3)
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家族と家庭生活 (1) —専業主婦になりたい
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山口みどり
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第4回(Day 4)
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19世紀の科学とジェンダー —「男脳と女脳」?
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山口みどり
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第5回(Day 5)
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教育とジェンダー (1) —ジェントルマンへの道
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山口みどり
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第6回(Day 6)
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教育とジェンダー (2) —「家庭の天使」の育成
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山口みどり
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第7回(Day 7)
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家族と家庭生活 (2)—社交と婚活
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山口みどり
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第8回(Day 8)
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法的不平等への挑戦 — 既婚女性には権利がない?
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山口みどり
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第9回(Day 9)
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社会慣習に立ち向かう (1) — 「女らしさ」の束縛への挑戦
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山口みどり
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第10回(Day 10)
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社会慣習に立ち向かう (2)
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山口みどり
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第11回(Day 11)
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社会慣習に立ち向かう (3) — ダブルスタンダードへの挑戦
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山口みどり
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第12回(Day 12)
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政治とジェンダー (1) — 参政権運動のはじまり
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山口みどり
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第13回(Day 13)
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政治とジェンダー (2) — 市民権とジェンダー
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山口みどり
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第14回(Day 14)
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政治とジェンダー (3) — 第一次世界大戦の影響
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山口みどり
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第15回(Day 15)
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まとめ
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山口みどり
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授業外の 学習 (Way of self-study)
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1回の講義に対して授業前・授業後に4時間以上の自習が必要です。授業で配布する資料や紹介する参考文献(関連する文学作品,DVDを含む)を使って学習してください。
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教科書 (Textbooks)
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参考文献など (Books for reference)
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河村貞枝、今井けい編著『イギリス近現代女性史研究入門』(青木書店 2006年) レイ・ストレイチー著、栗栖美知子・出淵敬子監訳『イギリス女性運動史 1792-1928』(みすず書房 2018年) 伊藤航多ほか編 『欲ばりな女たち――近現代イギリス女性史論集』(彩流社 2013年) L・ダヴィドフ、C・ホール著、山口みどり、梅垣千尋、長谷川貴彦訳『家族の命運――イングランド中産階級の男と女 1780~1850』(名古屋大学出版局 2019年)
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成績評価の 方法・基準 (Assessment procedures and Standards for Academic results)
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評価方法
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割合
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評価基準
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筆記試験
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50
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期末試験から評価します。
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実技評価
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0
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%
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特になし
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レポート評価
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0
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%
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特になし
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平常点評価
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50
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%
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リアクション・ペーパーや授業中に実施する小レポートなどから評価します。
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その他
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0
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%
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特になし
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履修上の 注意 (Important notes for applying to the course)
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連絡先・ 連絡方法 など (Contact information/ way to contact)
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その他 (Others)
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今の私たちの暮らしに通じる点,違う点,考えながら学習してください。
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画像 (image)
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添付ファイル (File)
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